静浦バイパス(しずうらバイパス)は、静岡県伊豆の国市から沼津市に至る、延長6.9 kmの国道414号バイパスである。2023年(令和5年)3月27日に、沼津大平ICから島郷橋交差点までの第1期工区2.5 kmが暫定2車線で供用開始されている。
概要
国道414号の沼津市下香貫から伊豆の国市南江間の間(特に沼津市静浦地区)は狭隘区間が多く、通勤時や観光シーズン時に慢性的な渋滞が発生しているため、その解消を目的に計画された。沼津市口野から沼津市下香貫までの約5.1 kmが事業化されており、そのうち第1期工区2.5 km(沼津市大平 - 沼津市下香貫)が2023年(令和5年)3月27日に暫定2車線で供用開始した。
残る未整備区間約4.4 km(第2期工区)については、後述するように有料道路事業を活用して整備する予定で、2038年開通予定である。
路線データ
- 起点:静岡県伊豆の国市南江間(伊豆中央道長岡北IC)
- 終点:静岡県沼津市下香貫島郷(島郷橋交差点)
- 延長:6.9 km(計画時は7.9 km)
- 暫定計画:6.9 km(沼津市下香貫 - 伊豆の国市南江間)
- 第1期工区:2.5 km(沼津市下香貫 - 沼津市大平)
- 第2期工区:4.4 km(沼津市大平 - 伊豆の国市南江間)
- 規格
- 第4種第1級(沼津市下香貫地区 - 伊豆の国市南江間地区)
- 第3種第2級(沼津市下香貫地区 - 同市大平地区)
- 道路幅員
- 一般部:27.0 m(車道:3.25 m×2 中央分離帯(ゼブラゾーン):3.5 m 路肩:0.75 m×2 保護路肩:0.50 m×2 自転車道:2.75 m×2 歩道:4.50 m×2、いずれも暫定供用時)
- 橋梁部:11.0 m(車道:3.25 m×2 路肩:1.25 m 0.75 m 自転車歩行者道:2.50 m)
- トンネル部:10.75 m(車道:3.25 m×2 路肩:0.50 m×2 自転車歩行者道:2.50 m 検査路:0.75 m)
- 車線数:暫定2車線(完成4車線)
- 車線幅員:3.25 m
- 設計速度:60 km/h
- 事業費:500億円(暫定計画全体)、206億円(第1期工区分:計画時は150億円)
- 都市計画道路名称
- 3.4.23沼津静浦線(代表車線数4車線、代表道路幅員17 m、延長8,530 mの一部)
- 3.5.59静浦長岡線(代表車線数2車線、代表道路幅員14 m、延長60 m)
- 3.6.50静浦長岡線(代表車線数2車線、代表道路幅員09 m、延長1,160 m)
当面は暫定2車線で整備するため、橋梁部及びトンネル部は南側(上り)のみを建設する予定である。
静浦有料道路(静浦バイパスへの有料道路方式の導入)
未整備となっている第2期工区の約4.4 kmは公共事業と有料道路事業で整備されるため有料道路区間となり、未開通ながら「伊豆中央道・修善寺道路」と合併採算制が設定されており、料金徴収期限が2057年3月8日までに設定されている。
沿革
- 1992年(平成4年):都市計画決定(都市計画道路沼津静浦線)
- 1994年(平成6年):事業着手(測量、調査、設計)
- 1995年(平成7年):用地買収開始
- 2001年(平成13年):下香貫地区で工事着手
- 2012年(平成24年):下香貫地区の用地買収完了
- 2013年(平成25年):大平地区の地盤改良工事着手
- 2014年(平成26年):(仮称)静浦1号トンネル工事着手、(仮称)大平高架橋下部工事着手
- 2015年(平成27年)2月:(仮称)静浦1号トンネル掘削開始
- 2016年(平成28年)9月:(仮称)静浦1号トンネルの名称が「沼津アルプストンネル」に決定
- 2018年(平成30年)2月:沼津アルプストンネルが貫通
- 2023年(令和5年)3月27日:第1期工区(沼津市下香貫 - 同市大平)、暫定供用開始
- 2038年:第2期工区(沼津市 - 伊豆の国市)開通予定
主な構造物
沼津アルプストンネルは、2018年(平成30年)2月15日貫通。
- 沼津アルプストンネル(延長1,177 m、計画時は1,165m:NATM工法)
- 大平側トンネル坑口法面は、当初は切土と鉄筋挿入及び植生吹付を予定していたが、地質が脆い凝灰岩だったため、グラウンドアンカー工法と高張力ネットによる対策工事を行っている。
- 大平高架橋 - ベント併用クローラクレーン架設工法
- 本線:123.0m(鋼3径間連続非合成鈑桁橋)
- オンランプ(上り道):36.9 m(鋼単純非合成鈑桁橋)
- オンランプ(下り道):39.6 m(鋼単純非合成鈑桁橋)
- (仮称)静浦2号トンネル(全長1,735 m)
主な接続道路
以下は、接続予定も含む。
- 静岡県道139号原木沼津線(接続道路で連絡)
- 静岡県道134号静浦港韮山停車場線
- 伊豆中央道(国道136号バイパス)
インターチェンジなど
- 施設名欄の背景色が■である部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間・未供用施設の施設名は仮称。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 静岡県沼津土木事務所
- 国道414号静浦バイパス第1期工区パンフレット
- 静浦バイパス 沼津アルプストンネル 工事概要
- 広報R414静浦バイパス - ウェイバックマシン(2016年7月14日アーカイブ分)
- 令和5年度 公共事業再評価(一般国道414号 静浦バイパス)、静岡県交通基盤部道路局道路整備課
関連項目
- 中部地方の道路一覧
- 国道414号
- バイパス道路
外部リンク
- 国道414号整備促進期成同盟会 - ウェイバックマシン(2009年12月2日アーカイブ分)、沼津市役所
- 静岡県沼津土木事務所
- (国)414号静浦バイパス(新ウェブサイト)
- (国)414号静浦バイパス(旧ウェブサイト) - ウェイバックマシン(2021年3月11日アーカイブ分)



