ジョセフ・パーカー(Joseph Parker、1992年1月9日 - )は、ニュージーランドのプロボクサー。オークランド出身。現WBO世界ヘビー級暫定王者。元WBO世界ヘビー級王者。ニュージーランド初のヘビー級世界王者。
来歴
ニュージーランドでサモア人の両親の間に生まれた。サモアの家系だが若干イギリスとドイツの血が混ざっている。父親の勧めで11歳でボクシングを始めた。
アマチュア時代
2010年10月、コモンウェルスゲームズにスーパーヘビー級(91kg超)で出場し、準々決勝で敗退した。
2011年9月、アゼルバイジャン共和国のバクーで開催された世界ボクシング選手権にスーパーヘビー級(91kg超)で出場し、2回戦で敗退した。
2012年3月、ロンドンオリンピックのオセアニア予選にスーパーヘビー級(91kg超)で出場したが、初戦で敗退した。
プロ時代
2012年7月5日、オークランドのスカイシティ・オークランドでディーン・ガーモンズウェイと対戦し、初回1分49秒TKO勝ちを収めデビュー戦を白星で飾った。
2013年6月13日、オークランドのトラスト・スタジアムでフランソワ・ボタと対戦し、2回2分32秒TKO勝ちを収めた。
2013年10月10日、オークランドのトラスト・スタジアムでNZNBFヘビー級王者アファ・タトゥプと対戦し、2回TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2014年4月26日、オーバーハウゼンのケーニッヒ・ピルスナー・アレーナでマルセロ・ルイス・ナシメントとPABAヘビー級暫定王座決定戦を行い、7回2分21秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2014年7月5日、マヌカウシティのボーダフォン・イベンツ・センターでPABAヘビー級正規王座決定戦をWBOオリエンタル同級王者ブライアン・ミントと行い、ミントの7回終了時棄権によるTKO勝ちを収めWBOオリエンタル王座獲得、PABAから正規王座に認定に成功した(記録上はPABA暫定王座の初防衛)。
2014年10月16日、オークランドのトラスト・スタジアムでシャーマン・ウィリアムズと対戦し、10回3-0(100-90×2、97-94)の判定勝ちを収めPABA王座は2度目、WBOオリエンタル王座の初防衛に成功した。
2014年12月16日、ハミルトンのクロードランズ・アリーナでイリネウ・ベアト・コスタ・ジュニアと対戦し、4回31秒KO勝ちを収めPABA王座は3度目、WBOオリエンタル王座は2度目の防衛に成功した。
2015年3月5日、マヌカウシティのボーダフォン・イベンツ・センターでジェイソン・パタウェイと対戦し、4回48秒KO勝ちを収めPABA王座は4度目、WBOオリエンタル王座は3度目の防衛に成功した。
2015年6月13日、パーマストンノースのアリーナ・マナワツでヤクプ・サーラムと対戦し、2回45秒TKO勝ちを収めPABA王座は5度目、WBOオリエンタル王座は4度目の防衛に成功した。
2015年8月1日、インバーカーギルのスタジアム・サウスランドで日本ヘビー級王者の藤本京太郎と対戦予定だったが、藤本戦が見送りになり、PABA王座並びにWBOオリエンタル王座の防衛並びに前OPBF東洋太平洋同級王者ソロモン・ハウモノの王座剥奪に伴い空位となったOPBF東洋太平洋同級王座決定戦並びにWBOアフリカヘビー級王者ボウイ・トゥポウとの王座統一戦を行い、初回1分3秒KO勝ちを収めPABA王座は6度目、WBOオリエンタル王座は5度目の防衛、WBOアフリカ王座の獲得並びにOPBF王座の獲得に成功した。
2015年10月15日、オークランドのトラスト・スタジアムでPABA王座、WBOオリエンタル王座、WBOアフリカ王座、OPBF東洋太平洋王座の防衛並びにEPBCとWBAオセアニアヘビー級王座決定戦をカリ・ミーハンと行い、3回1分TKO勝ちを収めPABA王座の7度目、WBOオリエンタル王座の6度目、WBOアフリカ王座の初防衛、OPBF王座の初防衛に成功し、WBAオセアニア王座並びにEPBC王座の獲得に成功した 。
2015年12月5日、ハミルトンのクロードランズ・アリーナでダニエル・マルツと対戦し、初回1分57秒TKO勝ちを収めWBOオリエンタル王座の7度目の防衛に成功した。
2016年1月23日、アピアのツアナ・イマト・スポーツ・コンプレックスでジェイソン・バーグマンと対戦し、2回と7回、8回にダウンを奪い8回1分2秒TKO勝ちを収めWBOオリエンタル王座の8度目、WBOアフリカ王座の初防衛に成功した。
2016年5月21日、マヌカウシティのボーダフォン・イベンツ・センターでIBF世界ヘビー級3位のカルロス・タカムとIBF世界同級挑戦者決定戦を行い、12回3-0(116-112×2、115-113)の判定勝ちを収めアンソニー・ジョシュアへの挑戦権獲得に成功した。
2016年7月21日、クライストチャーチのホーンキャッスル・アリーナで元OPBF東洋太平洋ヘビー級王者でWBA世界同級11位のソロモン・ハウモノと対戦し、4回1分35秒TKO勝ちを収めWBOオリエンタル王座の9度目、OPBF王座の2度目の防衛に成功した。
2016年10月1日、マヌカウシティのボーダフォン・イベンツ・センターでアレクサンデル・ディミトレンコと対戦し、3回1分18秒KO勝ちを収めWBOオリエンタル王座の10度目の防衛に成功した。
2016年12月6日、ボブ・アラムのトップランク社と契約し、トップランク社とデュコ・イベンツから共同プロモートされることとなった。
2016年12月10日、オークランドのベクター・アリーナでタイソン・フューリーの王座返上に伴いWBO世界ヘビー級3位のアンディ・ルイス・ジュニアとWBO世界同級王座決定戦を行い、12回2-0(114-114、115-113×2)の判定勝ちを収め王座獲得に成功、ニュージーランド初のヘビー級世界王者となった。
2017年2月3日、サンフアンのヴェルダンザ・ホテルでWBO世界ヘビー級王者のジョセフ・パーカーとWBO世界同級2位のヒューイ・フューリーの間で行われる指名試合の入札が行われ、パーカー擁するデュコ・イベンツが301万1000ドルで興行権を落札した。フューリー陣営のフランク・ウォーレンのクィーンズ・ベリー・プロモーションズの提示額は280万ドルだった。報酬はパーカーに60%にあたる180万6600ドル、ヒューリーに40%にあたる120万4400ドルとなった。
2017年4月22日、同年5月6日にオークランドのベクター・アリーナでWBO世界ヘビー級1位のヒューイ・フューリーと対戦し初防衛を目指す予定だったが、WBOのフランシスコ・バルカルセル会長により「フューリー陣営内で問題が起きたようだ」と試合が中止になったことが発表された。
2017年5月6日、マヌカウシティのボーダフォン・イベンツ・センターでヒューイ・フューリーの代替選手としてWBO世界ヘビー級14位のラズバン・コジャヌと対戦し、12回3-0(117-110×2、119-108)の判定勝ちを収め初防衛に成功した。
2017年6月30日、パーカー擁するデュコ・イベンツとフューリー擁するヘネシー・スポーツは、同年5月6日に予定されながらフューリーの怪我で中止となった王者パーカー対WBO世界ヘビー級1位のフューリーの指名戦を同年9月23日にマンチェスター・アリーナで行うと発表した。
2017年9月23日、マンチェスター・アリーナでWBO世界ヘビー級1位のヒューイ・フューリーと対戦し、12回2-0(118-110×2、114-114)の判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した。
2018年3月31日、カーディフのプリンシパリティ・スタジアムでWBA・IBF世界ヘビー級スーパー王者のアンソニー・ジョシュアと王座統一戦を行い、プロ初黒星となる12回0-3(110-118×2、109-119)の判定負けを喫し王座統一に失敗、WBO王座の3度目の防衛とWBA王座およびIBF王座の獲得に失敗しWBO王座から陥落した。
2018年7月28日、ロンドンのO2アリーナでディリアン・ホワイトと対戦し、12回0-3(111-114、110-115、112-113)の判定負けを喫した。
2019年5月31日、オーストラリアのプロモーターであるデュコ・イベントと契約が満了になり、エディー・ハーンのマッチルーム・スポーツ・USAと3試合契約を結んだ。
2019年10月26日、デレック・チゾラと対戦が決まっていたがパーカーが病気のために欠場した。
2021年5月1日、イギリスのマンチェスター・アリーナでデレック・チゾラと対戦し、12回2-1(115-113、113-115、116-111)の判定勝ちを収めた。
2021年12月18日、マンチェスター・アリーナでデレック・チゾラとダイレクトリマッチで再戦し、12回3-0(114-112、115-111、115-110)の判定勝ちを収めた。
2022年6月11日、イギリスのボクシングプロモーション会社BOXXERと契約した。
2022年9月24日、マンチェスターアリーナで行われたBT Sport Box Officeのヘッドライナーとして、WBO世界ヘビー級1位のジョー・ジョイスとWBO世界同級暫定王座決定戦を行い、11回にジョイスの左フックでダウンを奪われ何とか立ち上がるも、レフェリーが続行は危険と判断し試合をストップ。11回1分3秒初のKO負けを喫し4年半ぶりの王座返り咲きに失敗した。
2023年10月28日、サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで行われたタイソン・フューリー 対 フランシス・ガヌー戦の前座でWBCインターナショナルヘビー級シルバー王座のサイモン・キーンとIBF・WBOインターコンチネンタル同級王座決定戦を行い、3回2分4秒KO勝ちを収め両団体のインターコンチネンタル王座を獲得した。
2023年12月23日、サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで行われたアンソニー・ジョシュア 対 オットー・ヴァリン戦のダブルメインで前WBC世界ヘビー級王者で、WBC・WBA世界同級1位およびWBO世界同級9位のデオンテイ・ワイルダーとWBOインターコンチネンタル同級タイトルマッチ及びWBCインターナショナルヘビー級王座決定戦を行い、オッズでパーカーに5.8倍がつくワイルダーが圧倒的に優位と見られていた試合は番狂せとなる12回3-0(120-108、118-111、118-110)の判定勝ちとなりインターコンチネンタル王座の初防衛とインターナショナル王座獲得に成功した。
2024年3月8日、サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナでアンソニー・ジョシュア対フランシス・ガヌーの前座でWBO世界ヘビー級暫定王者の張志磊に挑戦。3・8回と張にダウンを二度も奪われるものの、12回2-0(115-111、114-112、113-113)の判定勝ちを収め暫定ながらもWBO王座の返り咲きに成功した。
2025年2月22日、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたアルツール・ベテルビエフ対ディミトリー・ビボル第二戦の前座のWBO暫定世界ヘビー級タイトルマッチでWBO世界同級2位のマーティン・バコレと対戦し、2回2分17秒TKO勝ちを収め初防衛に成功した。当初はIBF世界同級タイトルマッチとしてIBF世界同級王者のダニエル・デュボアに挑戦する予定だったが、デュボアが試合2日前に体調不良で欠場したため、WBO暫定世界同級タイトルマッチに変更した上でバコレが代役出場した。
獲得タイトル
- NZNBFヘビー級王座
- PABAヘビー級暫定王座(防衛1=正規王座に認定)
- 第15代PABAヘビー級王座(防衛6=剥奪)
- WBOオリエンタルヘビー級王座
- WBOアフリカヘビー級王座
- 第20代OPBF東洋太平洋ヘビー級王座(防衛2=返上)
- WBAオセアニアヘビー級王座
- EPBCヘビー級王座
- WBO世界ヘビー級王座(防衛2)
- IBFインターコンチネンタルヘビー級王座
- WBOインターコンチネンタルヘビー級王座
- WBCインターナショナルヘビー級王座
- WBO世界ヘビー級暫定王座(防衛1)
脚注
関連項目
- 男子ボクサー一覧
- パンアジアボクシング協会(PABA)王者一覧
- 東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)王者一覧
- 世界ボクシング機構(WBO)世界王者一覧
- ボクシング現王者一覧
外部リンク
- Parker Boxing
- ジョセフ・パーカー (joeboxerparker) - Facebook
- ジョセフ・パーカー (@joeboxerparker) - X(旧Twitter)
- ジョセフ・パーカー (@joeboxerparker) - Instagram
- Joseph Parker - Duco Events
- ジョセフ・パーカーの戦績 - BoxRec(英語)




